暮らしを豊かにする『木づかいの家』をたずねて

オーナー様が自ら命名された「木づかいの家」

その名が表す通り、床材や天井材、家具やインテリアなどの随所に天然木を使用し、自然素材の温もりや風合いを感じられる住宅になりました。竣工から2年が経ち、オーナー様ご自身で作られた木工細工や家具も増え、心地よい家づくりを継続されています。

「木づかいの家」のオーナー様ご夫妻に、愛着のある“木”に囲まれた暮らしの様子を伺いました。

高天井の広々としたリビング
レッドシダー(天井)、レッドパイン(床・オーダーメイドの書棚)、ナラ(床)、スギ(ダイニングテーブル)、ヒバ(キッチンカウンター)、クリ(窓枠)など。木がお好きというお施主様に合わせ、多種多様な木をふんだんに使用しています。

「なんだかやり始めたら、木工が好きになったみたい。」と奥様。
実は元々奥様のお父様が木工をやる方で、幼い頃に道具の使い方を教わった経験があり、
“木”と触れ合うモノづくりは幼い頃から身体に馴染んだものだったのです。

★建築中に出る端材から手作りされた「玄関用の踏み台」

木板の一部欠けていた部分を綺麗に継いで仕上げた作品。
ピネストでは、建築中に出る端材を『ご自由にお持ちください』BOXに入れて店頭に出すことがあるのですが、
そこから活用していただいたと後に知りました。
この端材との出会いが、弊社のことを知って頂くきっかけになりました。

★キッチンカウンターの端材でつくった「モニター台」(青森ヒバ)

「これは“メゾンタカノ”で作ったんですよ。夫婦ふたりで木を切ったんですが、結構大変だったよね。」とオーナー様ご夫婦で、笑いながらお話しくださいました。

『木づかいの家』の建築中、ピネスト管理のマンション(メゾンタカノ)に仮住まいされた際に、ピネストの作業場で制作した作品です。

「家ができたらここに置こう」「こうやって使おう」とイメージし、家づくりを楽しまれたご様子が伺えました。
ピネストとの思い出の家具として、長く愛用頂けると嬉しいです。

★手作り家具のある風景(1F主寝室)

1F主寝室の床材は「レッドパイン」を使用しています。
「普段は裸足で生活しています。冬は床が暖かいですし、夏は涼しいですしね。」とオーナー様。

新建材のフローリングだと表面が平坦で歩くとペタペタする感触がありますが(湿気、油脂、ワックスの劣化などが主な原因)、多孔質な無垢材の表面は、柔らかく調湿効果があるのでサラリとした肌触りで一年を通して快適に過ごせます。

★オリジナルマーク入りの「スツール」

十字の補強もしっかり入った木製スツール。
重みのある木で作られていてとても頑丈なんだそう。
ポイントは、四本足の一か所にお家の形とその中に「M」文字の刻印が。
「最初は上手くいかなかったのですが、最終的にははんだごてで。」と焼印を入れたとのこと。
お家の形がとても可愛く、オリジナルブランドの家具が完成です。

★木製の「ランドリーポール」

木を使って手作りされた、室内用のランドリーポール。
「乾燥する冬は、この竿に濡れた洗濯物をかけておきます。ちょっとした工夫で湿度調整ができて効果的なんです。」とオーナー様。
内装に使用した木と同色の木で作られたポールは、お部屋の印象とマッチして景観を損ないません。

★トイレも天然木に囲まれた落ち着ける空間

写真左)トイレにも、木目や形に味のある桐の板を加工して棚板を後付け。
写真右)ペーパーホルダーの上部には、無垢木のカバーが取付られています。飾り棚としても使えてオシャレで実用的です。

写真左)玄関や階段に施工した「八角形の手すり」の端材が、写真右)やかん蓋の持ち手部分に変身。
あつらえたかのようにピッタリのサイズで驚きました。

写真左)キッチンの天井端材でつくった調味料入れ。
写真右)同じくキッチンの天井端材でつくった包丁立て。収納場所に合わせてピッタリの大きさで使い勝手良く工夫できるところが手作りの良さです。

キッチンの天井に使用した木は「レッドシダー」です。ベイスギとも呼ばれています。
抗菌力が高いので腐朽や虫害に強く、耐久性と寸法安定性に優れた建材です。
吸湿しにくい性質をもち、湿度が変化しても収縮が少ないため、反り、曲がり、割れが起きにくい性質を備えています。キッチンなどの水回りにぴったりですね。

★天然木づかいのオーダーメイドキッチンとワークスペース「キッチンが私の砦です。」

ピネストで手作りしたキッチンとバックカウンター。
その横のスペースには奥様用のワークスペースも。
奥の扉を開けると家事室に繋がっています。

「キッチンの下は、扉のないオープンの棚に造って頂いたんですが、どこに何があるかわかりやすく、私はすごく気に入っています。」と奥様。
「一番下のスペースは、取っ手付きのケースを置いて引き出しのように取り出すなど工夫すると良さそうですが、私は今のところこのままで不自由はしていないです。」

「最初はキッチンワークトップ(天板)を注文した時に、水返しのないフラットなものを選んだのですが、後から水返しのあるものに変更してもらいました。やっぱり水返しがあって良かった。水返しがないと滑って危なかったなと。」

オーナー様と密なコミュニケーションを図り、変更や調整にも臨機応変に対応しています。

★キッチンのバックカウンターにはものを置かず、広々とした調理スペースに。

カウンターの端にある飾り棚には、味わいのある小さな茶器が並んでいて目を楽しませています。
飾り棚の側板がカウンターの天板から外れて落ちてしまわないように、カウンターの側面に立ち上がり板が施工されていました。こちらはオーナー様が自身で追加されたそうで、オーダーのカウンターがオーナー様の手で進化しています。

★キッチン内に設けたワークスペース

キッチン内にこんなスペースがあると、家事の合間時間に“ちょっと作業”が叶います。

「ワークデスクの上の窓を開けると、風が抜けて気持ち良いんですよ。」

「調理しながら仕事をするときは、結局キッチンワークトップにスマホを置いて見ながら、、、が多いですね。」
と、何気なく置かれたスマホスタンドもやっぱり手作りされたものでした。色や質の違う木片を組み合わされたオシャレな作品です。

★キッチンの横に設けた家事室は落ち着ける空間

「家事室は結構気に入っているんですよ。床板のナラ材がヒンヤリしていて、夏もそんなに籠った感じがないので過ごしやすいんです。」と、家事室に小さい木製の机と丸椅子がありました。

「洗濯したら、そのままここで皺を伸ばして、ここに干す。というとき、こういったちょっとした台になる机があると便利なんですよ。」

机は、リビングの床材と同じパイン材でこちらもオーナー様の手作りです。

以下は、2024年7月にお伺いした際にご紹介いただいた木工作品たちです。

★ジュウシマツのための快適な家[鳥小屋]

今年(2024年)の春頃に制作されたジュウシマツのお家。正面下段の扉と向かって左側面は、「木づかいの家」を建てる前の古い家の障子枠をリメイクして造られました。

「“木づかいの家”は冬暖かく夏もそんなに暑くないので、鳥を飼う環境としても良いですね。」と奥様より頂きました。外出も安心とのことです。

沢山の止まり木(本物の木の枝※)やブランコなどのおもちゃが手作りされています。
枝から枝へ飛び移ったり、花びらをつついたり。楽しそうなジュウシマツたち。

※木の枝は落ちていたものを使用

水入れを置く台も木で手作りされています。
こちらの止まり木も本物の木の枝でできていて、機能的かつオシャレです。

※木の枝は落ちていたものを使用

★多肉植物用ウッドプランター

多肉植物の寄せ植え用のプランターを、木で手作りされていました。多肉植物は「葉挿し(取れた葉っぱから目が出て成長する)」でどんどん増えるそうで、気づくと箱いっぱいになってしまうそう。緑の花束みたいで可愛いですね。

手作りのプランターだと、置きたい場所に合うサイズで作れるのでインテリアにぴったりですね。

★1cm角材で作ったミニトレイン

ミニチュア好きのスタッフがいち早く見つけた可愛らしい作品です。
1cm角の木をカットしたものに、電車の外装を印刷してくるりと張り付けたミニトレインのオブジェ。整列している様子がとても可愛いです。

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お伺いのたびに、暮らしの中で活躍する家具やジュウシマツが楽しそうに遊ぶ鳥小屋など
新しい木工作品を拝見させて頂きました。(今回のご紹介はお施主様制作作品の一部です)

ご夫妻でいろいろと工夫をして、天然木を使っていくことを暮らしの楽しみにされています。

注文住宅では、自分のライフスタイルや好みに合わせた家を造り
育てていくことが醍醐味の一つなのです。